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2026年6月4日

新型SUV『デスティネーター』に宿る、三菱の誇り|受け継がれたパジェロのDNAとは

三菱デスティネーター

デスティネーターとは何か

デスティネーターは、三菱自動車が2025年7月17日にインドネシアで世界初披露した、3列シート7人乗りのミッドサイズSUVです。インドネシアを皮切りに、フィリピン、ベトナムと展開され、今後はアセアン地域・南アジア・中南米・中東・アフリカへと順次投入されていきます。

残念ながら、日本市場での発売は現時点で計画されていません。それでもこの車に注目が集まる理由は、その完成度にあります。2025年度グッドデザイン賞を受賞し、ASEAN NCAPでは最高評価となる5☆を獲得。インドネシア自動車ジャーナリストフォーラムのカー・オブ・ザ・イヤー2025では「Best of The Best」にも輝きました。

商品コンセプトは「The Confidence Booster for Energetic Families(いきいきとした家族が自信を持って一歩踏み出せるよう後押しするSUV)」。デザインコンセプトには「GRAVITAS & DYNAMISM(重厚かつダイナミック)」という言葉が掲げられています。

そしてこの一台のデザインに、三菱自動車は「往年のパジェロへの敬意」を、はっきりと刻み込みました

 

リアに宿る記憶 ── 「ヘキサガードホライズン」

デスティネーター リアデザイン ヘキサガードホライズン

デスティネーターを後ろから眺めると、テールゲートの中央に六角形のデザインが浮かび上がります。三菱が「ヘキサガードホライズン」と名付けたこのモチーフは、ただの装飾ではありません。

三菱自動車の公式リリースには、こう明記されています。

「リヤには、往年の『パジェロ』が装着していた背面式スペアタイヤをモチーフとした六角形のデザインコンセプト『ヘキサガードホライズン』を配置し、SUVらしい走破性の高さを表現しました」
(三菱自動車公式リリース 2025年7月17日)

初代パジェロが1982年に登場して以来、リアゲートに鎮座する背面スペアタイヤは、パジェロの代名詞そのものでした。砂漠やラリーで予備タイヤを持ち歩くという機能美が、いつしか「冒険を約束するクルマ」の象徴になっていったのです。

現代のSUVに背面スペアタイヤを装着するモデルは、ほとんど存在しません。それでもデスティネーターは、そのシルエットだけを「形」として残しました。スペアタイヤがそこになくても、六角形のラインを見た瞬間に、人は無意識に「これは冒険のためのクルマだ」と感じる。それは、初代パジェロから40年以上をかけて、三菱自動車が世界中の人々の記憶に刻み込んできたデザインの力です。

パジェロ39年の歴史を徹底解説した記事はこちら

 

ダッシュボードに宿る記憶 ── 「3連メーター」のオマージュ

デスティネーター インテリア 3連メーター

デスティネーターのインテリアに視線を移すと、運転席の前には12.3インチの大型ディスプレイが横たわっています。先進的なデジタル空間です。しかし三菱は、ここにもパジェロの記憶を埋め込みました。

「SDA(スマートフォン連携ディスプレイオーディオ)は12.3インチとすることで先進性を印象付けるとともに、『パジェロ』の3連メーターをオマージュしたマルチメーター表示など多彩なコンテンツを表示し、ドライブの楽しさを高めています」
(三菱自動車公式リリース)

「パジェロの3連メーター」とは、初代パジェロのダッシュボード中央に鎮座していた、傾斜計と方位計を含むコンビメーターのことです。三菱自動車のデザイン公式資料には、この計器が開発部門で「RVメーター」と呼ばれ、初代パジェロが登場した1982年から1999年までの17年間、三菱RV車のシンボルであり続けたことが記されています。

舗装路を走るだけなら、傾斜計も方位計も必要ありません。それでも初代パジェロは、ダッシュボードに堂々とその計器を据えました。それは「このクルマはどこへでも行ける」というメッセージそのものでした。冒険のための道具を、誇りとして見えるところに置く。それがパジェロの哲学でした。

そして2025年、その3連メーターが、12.3インチの液晶ディスプレイの中でデジタルの姿で甦りました。ハードウェアとしては姿を消したはずのものが、ソフトウェアとしてもう一度顔を出した。三菱自動車のデザイナーたちが、43年前のあの形を今も忘れていないことの、何よりの証です。

 

受け継がれてきた三菱SUVの系譜

パジェロ パリダカ

ここで、パジェロが歩んできた道を、簡単に振り返ります。

出来事
1982年5月 初代パジェロ発売。車名はアルゼンチンの山岳地帯に生息するヤマネコに由来
1983年 デビュー翌年にパリ・ダカールラリーへ初出場、市販車無改造クラスで優勝
1985年 パリ・ダカールラリー総合優勝。以降通算12回の総合優勝(7連覇含む)を達成
2019年8月 国内向け生産終了。39年の歴史でパジェロ製造の累計生産台数は約325万台、170ヶ国以上に輸出
2023年11月 初代パジェロが日本自動車殿堂の「歴史遺産車」に選定

ネームプレートとしての「パジェロ」は、2019年に国内市場での歴史を閉じました。しかし、そのデザインのDNAは、三菱が新しいSUVをつくるとき、今も呼び覚まされています。デスティネーターはその、最新の証です。

 

そのDNAを、いま日本で受け継ぐ三菱SUV

デスティネーターは日本では買えません。しかし、その哲学 ── 重厚かつダイナミック、家族とともに冒険を ── は、今、日本で買える三菱のSUVにも確かに息づいています。

新型デリカD:5(2026年1月発売)

新型デリカD:5

2026年1月9日に大幅改良を受けた、唯一無二のオールラウンドミニバン。新たに搭載された4輪統合制御技術「S-AWC」、8インチデジタル液晶メーター、そしてクリーンディーゼル×8AT。SUVの走破性とミニバンの実用性を両立する、三菱だけが作れる一台です。価格は451万円から

新型デリカD:5のグレード徹底比較はこちら
新型デリカD:5の進化ポイントはこちら

アウトランダーPHEV

アウトランダーPHEV

2025年度の国内PHEV販売台数No.1を、2年連続で獲得した実力派。22.7kWhの大容量バッテリーで等価EVレンジ102km、走行中も停車中も電気が使えるV2H対応。電動化時代の、冒険の相棒です。

両モデルとも埼北三菱の本庄店・熊谷石原店・東松山中央店で試乗いただけます(予約必須)。デスティネーターの記事に心を動かされた方は、ぜひお気軽にお電話ください。

 

結び

「パジェロ」という名は、単なる車名ではなく、三菱自動車の「安全・安心・走破性」を背負った哲学です。その哲学は今、日本のデリカD:5、アウトランダーPHEV、そして遠い地のデスティネーターに、確かに受け継がれています。

三菱のクルマを選ぶことは、その系譜に触れることでもあります。